リカンベントに乗れるように練習した話

ゆるぐだ
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リカンベントで走れるように練習をした話をしましょう
リカンベントが届くまでの話は以下をご覧ください

リカンベントが届き、無事に組み立ても終わりましたが、まともに乗れないのに公道で走るわけにいかないわけです
周りの車両や人に迷惑が掛かりますし、最悪事故ります

今自転車に乗っているほとんどの人は、補助輪つけたり、サドル持ってもらって走ったりして子供の時に大人と一緒に練習をしていたんじゃないかなと思います
最近はSTRIDERで慣れてから自転車を乗る人もいるみたいですね

道路をふらふら走っていたら危ないですし、走っている最中にバランス崩して転んだら後ろからきた車両に轢かれてしまうかもしれません

なので練習をしようというわけですが、住んでいる場所の近くに車が来なくて広い、かつ自転車が走行可能な空間がないんですよね
公園も自転車走行禁止が多いですし、そもそも車通りも人も多いですし。。。
大の大人が自転車に乗る練習をするので、可能であれば人目が少ない方がうれしいです

Googleマップで調べたり自転車でうろうろしながら良い場所ないか探したりしていたら、徒歩40分くらいのところにいい感じの場所を見つけました
普通に歩くだけでその時間かかるので、リカンベント押しながら歩いたらもっとかかるんですが、練習場所を確保するために仕方ないです

走るのに必要なのは、基本的に以下の3つだと思います

  • 発進
  • 直進
  • 右左折

Let’s 練習

直進

まず初めにやったのは直進する練習です
発進は?って思う人もいるかもしれないですが、発進は速度0の状態からペダルを踏みこんで直進状態に移行するわけですが、直進できないのにこれをやったところでうまくいかないだろうと思ったわけです
発進できなければ止まったままじゃないかって感じですけど、直進の練習に坂道を使います
アップライトだと、ペダルに足を載せずに地面を蹴って走る感じですが、リカンベントで何度も地面を蹴るのが思ったより難しかったので坂道を使いました

坂道の途中で地面を足で蹴ってあとは惰性で下ります
この時はまだペダルで漕いでいません
ペダルで漕ぐと、漕ぐ+バランスを取るの2つを行う必要があり、またペダルを漕ぐことでバランスが崩れてしまう可能性があるので、バランスを取れるようになることを最優先に考えました
傍から見ていると、変な自転車に乗った人が同じ坂道を下っては押して登ってきて、また下って…を繰り返しているという通報されるんじゃないかというレベルの不審者ですが、心を強く持ちましょう
幸い、通報はされなかったです
すごいの乗ってますね、みたいに声はかけられましたが。。。
素直に自転車が気になったんだと思いたいですが、不審がられているんですかね。。。

バランスが取れるようになったなら、坂道を惰性で下ってある程度速度が出たあとペダルを漕いでいきます
いきなり強く踏み込むとバランスが取れなくなるかもしれないので、初めは空転させる感じで漕いで、慣れてきたら徐々に強くしていく感じです
最終的には下ったまま平地を走れるようになっているでしょう

発進

次は発進と右左折ですが、自分は発進を先に練習しました
発進ですが、直進でバランス取れるようになっているはずなので、そこまで時間はかからないと思います
平地での練習が難しいなら、直進の時同様に坂道を使って練習をします
直進の練習で、ある程度速度が出た後にペダルを漕いでいたと思いますが、ペダルを漕ぐタイミングをどんどん早めていけば、最終的にはストップ状態から走れるようになるでしょう
坂道でできればあとはそれを平地でやるだけです

発進直進が問題なくできるようになるまでに数日かかりました
仕事の後夜に1時間くらい練習した感じです
これが早いのか遅いのかはわからないですが、結構バランスを取るのが難しかったですね。。。

右左折

最後に右左折の練習をしました
まあ、直進できるのであればある程度のカーブ、というかほとんどのカーブは曲がれるはずです
自転車はある程度速度を出していればコケることはないです

じゃあ何の練習をしたのかというと、市街地などの細い路地で曲がる練習です
自分が購入したM5 CHRは、全長が2m以上ありなおかつハンドルが全然切れないので、細い路地での右左折とかはかなり苦戦します

これはもう単純に練何度も曲がって習するだけです(他もそうじゃないかって言われればそうなんですが…)

チェーンとタイヤがすれる音が精神衛生上よくないのもそうですが、最大の問題は自分の身長のような気がします
チェーンとタイヤの接触は諦めてチェーンが落ちないように気を付ければいいのですが、ブームを一番短くしているせいで、ハンドルをある程度切るとホイールとクランクが干渉するんです
デフォルトのクランクより短いものを付けてもらいましたが、それでもハンドルを切りすぎるとヒットします
そして、クランクヒットすればバランスが崩れて転びます
なので、ハンドルを切らないといけないレベルの道の場合は結構神経を使います
ある程度速度が出ている場合は、ペダルがクランクに当たらないように上げればいいだけですけどね

いざ公道で走ってみて

発進、直進、右左折ができるようになればあとは好きに走るだけですが、交通量の少ない道から慣らしていった方がいいでしょう
実際に走った感想ですが、めちゃくちゃ楽しいです(小並感)

平地

危ないので、練習の時はあまり速度を出さないようにしていました
実際に公道で走ると速度を出せるようになるわけですが、全面投影面積が小さいからか、そこまで頑張らなくてもある程度の速度が出ます
向かい風も他のアップライトの車種ほど気になりません
どんどん風邪を切り裂いていく感じ・・・というかあまり向かい風を感じないです
他の自転車が向かい風で辛そうでも普通に走れます
向かい風をあまり感じない代わりに、追い風もあんまり感じないです

あと、平地関係なくて公道で走った時の感想ですが、大型車のタイヤがロードの時の比じゃないくらい怖い。。。
よくわからない物体だからか、あまり幅寄せとかはされませんが、それでも他の車両のタイヤ・ホイールの存在感が凄いです
ハイレーサーなので、ある程度車高はありますが、ローレーサーだと車から見えないんじゃないかなあと時々思いますね

登り

峠とかのある程度距離のある登りはまだ走っていないのでわかりませんが、登りに関しては勾配次第です
勾配が緩ければ大して影響はないです
空気抵抗の小ささの方がメリットがあるような気がします

ただし、7~8%あたりから結構しんどくなります
リカンベントにしては軽いとはいえ、車重は約10㎏なのでロードよりずっと重いです
そして、登りが辛い最大の理由はダンシングができないことと重心の低さです
リカンベントは寝そべって乗るので、もちろんダンシングをすることはできませんし、アップライトの自転車と比べて重心が低くなります

重心の話が出てきましたが、基本的に重心の位置が低いほど安定性は高くなり、重心の位置が高いほど安定性が低くなります
高さのある家具と低い家具、どちらが倒れやすいかを考えるとイメージが付きやすいかと思います
これは、重心の位置が高い物体と比べて、重心の位置が低い物体の場合は、外力が加わった際に重心線が支持基底から外れやすいからです
つまり、安定性を得るためには重心の位置を低くすることが良いというわけです

谷埜 予士次. 力学的見地からみたバランス. P60. (2003)

先ほど、リカンベントの重心が低いといいましたが、これを見ると重心が低くて安定性が高いなら問題ないのでは?と思う人もいるかもしれません

次の例として、同じ材質でできた長い棒と短い棒、どちらが簡単に掌で立たせることができるかを考えてみます(もちろん重心は長い棒の方が高いです)
おそらく、長い棒の方が簡単に立たせることができるとほとんどの人が考えるでしょう
子供の時にほうきやデッキブラシとかを使って遊んだ人も多いかもしれません
長い棒の方が重心は高いので、先ほどの話では安定性は低くなるという話でしたが、どうして長い棒の方が簡単に立たせることができるのでしょうか

これは、棒と掌が接しているところ(支持基底)を支点として、棒が回転する(倒れる)際の慣性モーメントが違ってくるからです
長い棒の方が支点と重心の距離が長いので、短い棒と比べて慣性モーメントが大きくなります
慣性モーメントが大きくなるということは、棒が倒れるためにはより大きな力が必要になります
そのため、棒が倒れる速度が遅くなり、倒れる前に支点を移動してバランスを取ることができるようになるということです

谷埜 予士次. 力学的見地からみたバランス. P61. (2003)

リカンベントは、アップライトの自転車と比べて重心が低いため、短い棒のような状態です
つまり、バランスを取るのが難しいというわけです

ある程度の速度で走っているときは、自転車は倒れずに走り続けることができます
この理由は下の動画が分かりやすいですね

How Do Bikes Stay Up?

ある程度の速度を出している場合は上記のように問題ないのですが、登りなどの低速域で走る場合は乗り手がバランスを取る必要があるため、短い棒のような感じで重心が低いリカンベントは倒れやすいというわけです
ダンシングできないのもそうですが、リカンベントが「登りが苦手」と言われる理由の一つですね

話が変わりますが、自分が持っているリカンベント(M5 CHR)は後輪駆動なんですが、前輪駆動のリカンベントも存在するんですよね
いきなりどうしたって感じですけど、自分のは後輪駆動なのであまり関係ないわけですが、リカンベントって重心が後ろに偏っているんですよ
つまり、前輪にかかる荷重が少ないわけで、前輪駆動のリカンベントは急勾配の登り坂とかスリップしないんですかね?
ちょっと気になったり。。。

下り

下りはすごく気持ちいいです
全面投影面積が小さく、空気抵抗が小さいため、漕がなくてもどんどん速度が上がっていきます
この漕がなくても速度が上がるということに関して、注意する必要はあります
勾配や距離によってはペダルを回しているロードを脚を止めて惰性で走っているのに抜けてしまうレベルです
制限速度オーバーに気を付けましょう

あと、デフォルトでついているブレーキのせいかわかりませんが、下りでスピードを出しすぎると思ったより止まらないです
あまり飛ばしていなければ問題ないですが、下りで調子に乗ると制動距離が凄いことになります
ブレーキは早めに変えたいなと思いながらまだ変えてないです。。。

ただし、アップライトの自転車みたいに何も考えずにフロントだけフルブレーキしたら後輪浮いてジャックナイフとかにはならないので安心です
今までなったことないですけどね。実際起きるんでしょうか。。。

ブレーキと言えば、リアブレーキを強めに握ってもロックしにくいです
ロードとかだと、下っている最中に一気にブレーキをすればリアがロックして滑るなり、最悪転ぶなりすると思います
そうならないようにおしりを後ろに引いて重心を後ろに持ってきたりしますよね
リカンベントの場合は重心が後ろに偏っているからか、ロックしにくい気がします
峠登ったことがないのと同じで、峠下ったことないのでどこまでロックしにくいのかは、実際に走りに行かないとわからないですが、やろうと思えばロードとかだと平地でもロックさせることができるので、ロックしにくいのは確かだと思います

最後に

止まっているときに前見えるのかと聞かれたことがありますが、正直ロードよりも視界は良いです
ただ、モデル次第かもしれないですが、ヘッドレストは必須かなと思います
ちなみに、乗った時の視界はこんな感じです(わかりにくいな…)

あと、前は問題ないですが、後ろは全然見えないです
体を起こせば後ろを見ることは可能ですが、毎回体を起こすのは面倒なのでミラーを付けています
というかないと危険だと思うので、ミラーは完全に必須アイテムですね

他の車種よりも乗ってて楽なので、ロングライドで重宝する気がします
北海道とか走ってみたいですね
まあ、車種関係なく楽しいですけどね

最後に、使い方完全に間違えていますが、荷物もたくさん載せられます
車とか持っていないですからね、押して歩く必要があるとはいえ、段ボールを複数一度で運べるのは便利なんですよ
ロードやミニベロはもちろん、スポルティーフも大きな段ボール運べないので。。。

おわり